Miranda 一期一会

日常の幸せに感謝したい。だけど、非日常な旅行も好き。日常と旅行の両方の記録。

油断してなかったはずだけど…の高齢出産_緊急帝王切開_前置胎盤

前置胎盤で管理入院中の緊急帝王切開の記録:

アラフォーで初めて迎える2020年春の出産。通常分娩の大変さを知ることなく前置胎盤による帝王切開の荒波にもまれることに…

コロナ第一波の最盛期ということもあり、手術日の家族(夫も)の立ち合いは不可。予定帝王切開まであと1週間というところで警告出血がありそのまま緊急帝王切開になったことの記録

 

【管理入院中の確認点】

管理入院中にドクターや看護師さんに聞かれることは「出血はありませんか?」「お腹は張っていませんか?」の主に2点。朝、昼、夜と同じ事を聞かれるのものの、私の入院生活は貧血以外はいたって順調でした。もともと他に薬も飲んでいなかったし血圧も正常。お腹の赤ちゃんも順調そう。毎日の回診も一瞬で終わるし、回診時に不在でも特にフォローされることもなかったです(回診が儀式みたいで平和な感じ)。予定帝王切開日まであと1週間。このまま子供と私の誕生日が同じになるのかな?と思っていました(偶然にも病院の手術曜日が決まっていたため、私の誕生日が予定帝王切開日となっていました)。

唯一、一度だけおや?危険かも?と感じたお腹の”張り”があったくらいです。その”張り”についてはドクターがスーパームーンの影響だったかもねと冗談ぽく言っていたけど、そういうこともあるらしいし、そうだったのだろうと思っています。なぜなら思い返すとお腹の張りのピークはスーパームーンの夜だったし、人間と自然は不思議な力でつながっていると感じずにいられないからです。妊娠してからというもの子供の誕生自体の神秘性を感じますし、人間なんて自然の中ではちっぽけな存在だと思っているからです。

 

【運命のときは突然にやってくる。前触れのない警告出血】

いつも通りに6時の起床時間に目覚めました。妊娠後期になってきてトイレが近くなったこともあり、いつも通りトイレに向かいます。が、いつもと違うちょっとした出血が…ペーパーにかすかに付くかつかないか程度の軽い出血。これは看護師さんに伝えた方が良いのか?とか、手術になるのかな?少量だから様子見か?とか様々な思いが一気に頭を駆け巡ります。

とはいえ、前置胎盤で入院している理由でもある出血=リスクを考えるとベットに戻ってすぐにナースコール。すぐさま看護師さんが病室まで車いすを持って迎えにきて、診察室に連れていかれました。

まだ朝6時なので当直のドクターが登場し、出血の原因を調べて、内部の出血も少量であることが確認されました。すぐに部屋に戻れるのかと思っていたらそのままお腹にモニター(赤ちゃんの心拍を図る機械)をつけられ、ドクターが引き続きエコーで診察。特に胎盤剥離が生じていないかを確認しているとのことでした。

当直は研修医ではないけど若いドクターということもあり、緊急手術をするか否かの判断はベテランドクターの判断を待つとのことでした。これは手術になりそうだなと思い、看護師さんに携帯を持ってきてもらってまずは夫に連絡です。ただし、この時点で朝7時。夫は7時45分にならないと起きないのでそれまで返信は来なかったですw。看護師さんもびっくりしてました。手術確定まで時間がかかったので、起きなくてかえって良かったかもとは思います。

 

ちなみにですが、警告出血の前に本当に前触れがなかったのか?というと、ないのです。ただ、出血前夜の胎動が今までで一番激しく、夜に眠れないほど痛かったです。その旨をドクターとか看護師さんに伝えてみるも、それは影響ないと言われるのです。とはいえ、私にとっては前夜の胎動は子供が生まれたいとの初めての意思表示が出血につながったと信じています。

 

【緊急手術に向けて】

8時過ぎにベテランドクターが登場して、36w6dということ、赤ちゃんの大きさも大丈夫そう(直近の検診で3200gと言われていました)、出血に怯えながら過ごすのも大変というような理由で緊急帝王切開の実施が確定しました。

何時から手術になるかわからないまま、手術の準備が始まりました。看護師さんたちも8時半の時点で手術の申し込みが終わってないから10時とか11時とかになるのでは?と言っていました。とはいえ、いつ手術が始まっても良いように、立ち合いの看護師さんがあいさつにきたり、両手に点滴と輸血の管が設置されたり、剃毛されたり、おしっこの管を入れられたりと…もう「まな板の鯉」状態です。他にも、手術とか術後のことで説明を受けたり、書類にサインしたけど(多分重要なこと)記憶が曖昧です(苦笑)。

そんな中、看護師さんに優しい言葉をかけられて私の涙腺は崩壊しました…涙の理由は自分でもよくわからないけど、不安が大きかったからかなと思います。無事に赤ちゃんが出てきて、産声を上げてくれるのか。そんな不安が突然目の前に来たうえに、なじみの看護師さんの優しい言葉で私の感情はコントロール不能になってしまいました…苦笑

そうこうしていたら、「手術が9時からになりました」と言われて、私の周囲が騒々しくなるとともに、慌てて夫に連絡。夫は病棟内に立ち入ったり子供に会えないけど、何かあったときのために病院敷地に来ることが求められていたのです。

ちょうど9時くらいに手術室に向かうと、麻酔科のドクターが登場しました。緊急帝王切開とはいえ、全身ではなく下半身麻酔だったのがせめてもの救いです。私は椎間板ヘルニアがあるのですが、事前に麻酔科に伝える機会もなかったので、手術室で伝えることになりました。ヘルニアがあると麻酔が効きにくいことがあるらしく、ギリギリで伝えておいてよかったです。

 

【緊急帝王切開手術】

手術室は執刀医の産婦人科医が3名、小児科医が2名、麻酔科医が1名、手術サポートの看護師1名、立ち合いの看護師(助産師)1名という布陣でした。執刀医と小児科医の1名は研修医だったので実質はもう少し少人数でいけるのかもしれないです。しかし、赤ちゃん一人を出産するためにこれだけ多くの人にサポートをしてもらうのと思うと、さらに涙腺が緩むのです。。。

 

麻酔が順調に効くと、早速手術が開始。

お腹の上で(中で?)何かもぞもぞしている感じがあるけど、当然ながら痛みは全く感じないです。崩壊した涙腺からは涙が出ていて、時折看護師さんが涙をぬぐってくれました。

 

お腹の上でもぞもぞされている時間は正直思ったよりも長かったです。もっとすぐに赤ちゃんが出てくるのかな?と思っていました。そうこう考えている間に、間もなく赤ちゃんが出ますと言われて小児科医が身構えた。赤ちゃんが取り上げられ、産婦人科医の手に赤ちゃんが見えて、へその緒を切られて、産婦人科医から小児科医に赤ちゃんが手渡された瞬間に産声が上がりました。へその緒が切られてから産声が上がるまで本当に一瞬だったはずなのに、私にはとても長く感じられました。産声を聞くと安心。かわいい産声というよりはドスが効いた感じの迫力ある産声でした。生まれた時間は「9時46分」。手術室に来てからこんなに時間が経っていたのだなと思いました。

産声を聞いて安心していたのもつかの間、小児科医が赤ちゃんに簡易呼吸器のようなもので酸素(空気)を送っています。これは普通のことなのかどうかがわからないけど、たぶん普通のことではないように感じました。

その間に私のお腹の縫合手術が進んでいるのですが、お腹のことなど気にしていられないです。呼吸器で酸素を送られてひと段落したのか、看護師さんが赤ちゃんを近くに持ってきてくれました。初めて触れることができてうれしい反面、あまりにも小さくて触っても大丈夫かな?という恐怖に似た思いもありました。

 

赤ちゃんが手術室を出てからもしばらくは縫合手術が続きます。

どうも出血が多いらしく、なかなか血が止まらないとのことです。執刀医は若手ドクターだけど、ベテランドクターの言葉の安心感は別格です。結局出血が多いので、病室に戻ってから自己血を輸血することになりました。せっかくの採血が無駄にならなくてよかったって思ってしまいました(笑)。

 

【術後の様子】

赤ちゃんと術後に再開できたのは出産の2時間後。赤ちゃんの呼吸が不安定だったので、看護師さんがずっと呼吸器で呼吸のサポートをしてくれていたらしいです。2時間たってようやく呼吸が安定したとのことで、病室に赤ちゃんを連れてきてくれました。そこでようやく写真と動画を撮りました。めちゃかわいいです。ついさっきまでお腹の中にいたのだからとても不思議な感じです。

帝王切開後ぼ1-2日間は母子別室なので、3時間ごとの授乳(といってもおっぱいは全然でない)に連れてきてくれるまで会えません。

 

痛みについては、麻酔が切れると本当に傷口が痛いです。傷口がいたくて寝返りが打てないのもかなりつらいです。痛みを我慢すると血圧が上がるので良くありません。痛みに耐えることに良いことは一つもないのです。なので私はできる限りの痛み止めを使い、最後は座薬まで使いました。座薬に抵抗があったけど効き目はてきめん。使わない手はないです。